中国版インフルエンサー「KOL」「KOC」の違い|起用時の注意点は?

「KOLとKOCの違いって何だろう?」
「中国版のインフルエンサーマーケティングってどんな内容?」

こういった疑問をお持ちではありませんか?

本記事ではそんな疑問の解決に役立つ内容を、以下の順に解説します。

  • 中国版インフルエンサー「KOL」「KOC」の違い
  • KOLやKOCが利用する中国版SNS媒体例
  • KOL・KOCを起用する際の注意点

中国版のインフルエンサーマーケティングに興味がある担当者の方に役立つ記事です。

ぜひ最後までご覧ください。

中国版インフルエンサー「KOL」「KOC」の違い

ここからは中国版インフルエンサー「KOL」と「KOC」の違いについて、以下の4項目から解説します。

  • KOLとは
  • KOCとは
  • KOLとKOCの違いを比較
  • インフルエンサーとの違い

1項目ずつ詳しく確認していきましょう。

KOLとは

KOLは「Key Opinion Leader」の略で、SNSや動画配信プラットフォームで影響力のある中国版のインフルエンサーを指しています。

「網紅(ワンホン)」とも呼ばれ、インターネット上で影響力がある人を表しています。

中国はSNSに関する規制があり、KOLは独自のプラットフォームで活躍しているのが特徴です。

KOLは単純に人気があるだけでなく、その発信が信頼できる情報源として注目されています。

つまりKOLは、マーケティング成功のために重要な存在といえるでしょう。

KOCとは

KOCとは「Key Opinion Consumer」の略で、影響力のある一般人を指しています。

一般人が購買体験に基づいて口コミを投稿するため、人物よりも情報への信頼度が高いといえるでしょう。

特に中国では、日本以上に口コミを重視する文化があります。

KOCの情報発信は、マーケティングへ大きな影響力を与えています。

KOLとKOCの違いを比較

KOLとKOCの違いを表にまとめました。

名称KOLKOC
正式名称Key Opinion LeaderKey Opinion Consumer
フォロワー数数十万人から数百万人少ない
影響力の広さ広い・強い濃い・狭い
主な用途PR、商品紹介体験レビュー、店舗集客


例えばKOLは、観光地の魅力を発信することで、旅行予約数の増加が期待できます。

またKOCは飲食店や化粧品のレビューを投稿し、売上アップが期待できます。

それぞれに合う用途で起用することが重要です。

インフルエンサーとの違い

KOLやKOCと、日本でいうインフルエンサーには違いがあるのでしょうか。

そもそもインフルエンサーとは、InstagramやX、YouTubeなどでの発信に影響力のある人物を指しています。

インフルエンサーには広い意味があり、専門性が高い人物、口コミに影響力がある人物などの総称とされています。

一方で中国では単純に影響力があるというよりも、専門性が高いことを強調する傾向があり、マーケティングの文脈でKOLやKOCに分けられています。

中国でKOL・KOCマーケティングが重視される理由

KOLやKOCなどの中国版インフルエンサーの発信が重視されているのには、いくつかの理由があります。

ここからは、中国でKOL・KOCマーケティングが重視される理由を、以下の3点から解説します。

  • 口コミを参考にする文化が根付いている
  • ライブコマース市場が拡大している
  • ネット規制が影響している

1点ずつ詳しく確認していきましょう。

口コミを参考にする文化が根付いている

中国では、特に口コミを参考にする文化が根付いています。

過去に偽物や粗悪品が多く流通した背景があり、信頼性の高い情報を求めているためです。

「圏子(チェンズ)」という小さなコミュニティの中で情報交換を行い、信頼性の高い情報を重視してきました。

こういった背景があるため、特定分野の専門家であるKOLの発信は、正しい情報のひとつとして国民から信頼されています。

ライブコマース市場が拡大している

ライブ配信とオンラインショップを組み合わせた「ライブコマース市場」が中国で拡大したことにより、KOLやKOCの存在が不可欠となりました。

ライブ配信は視聴者がその場で購入を決めるため、信頼できる第三者による実演が購入を決める鍵となっています。

人気の高いKOLの影響力は絶大で、1回のライブ配信で数十億円の売上を記録することがあります。

KOLは単なる広告塔でなく、販売者として大きく活躍しています。

ネット規制が影響している

KOLやKOCが注目されている理由は、中国は独自のネット規制があるためです。

中国ではInstagramやX、YouTubeなどへの規制があるため、中国独自のSNSに情報が集まっています。

したがって製品やブランドに対する情報は、中国版SNSで完結しています。

中国版SNSで活躍するKOLやKOCの発信は、国民にとって信頼性の高いものとなっています。

KOL・KOCマーケティングの主な手法

KOL・KOCマーケティングの主な手法は、次の2点です。

  • PR投稿
  • ライブコマース

具体的にどういった手法なのか、詳しく確認していきましょう。

PR投稿

PR投稿とは、KOLやKOCが自分自身のSNSで商品を紹介するマーケティング手法です。

KOL、KOCそれぞれの立場から商品の魅力をPRすることができます。

SNSやWebサイトに掲載される広告よりも自然体で、信頼性が高いといえるでしょう。

ライブコマース

ライブコマースとは、ライブ配信とEコマース(オンラインショップ)を組み合わせた販売手法を指しています。

リアルタイムで実演することで、ECサイトでの購買促進につなげています。

商品のデモンストレーションが見られることも、購買意欲を高める要因です。

中国のライブコマース市場は急成長していて、10年間で100兆円規模にも拡大しています。

中国では欠かせないKOL・KOCマーケティングの手法といえるでしょう。

KOLやKOCが利用する中国版SNS媒体例

ここからは、KOLやKOCが利用する中国版SNSを紹介していきます。

それぞれの特徴を理解していきましょう。

小紅書(RED)|中国版Instagram

REDは口コミやライフスタイルに関する投稿がメインのSNSで、中国版のInstagramです。

美容やファッション、旅行などの投稿が多く、ECサイトの機能も付いています。

ユーザーは女性が70%を締めていて、若者を中心に普及しています。

微信(WeChat)|中国版LINE

WeChatはユーザー同士でのメッセージのやり取りがメインのSNSで、

中国版LINEと言われています。ユーザー数は13.4億人以上にも及び、中国国内で広く普及しています。

WeChatにはメッセンジャー機能の他に、シェア機能や支払い機能を搭載していて、国民が日常的に利用しているのが特徴です。

またビジネスアカウントも多く、企業が認知拡大や売上向上を目的に運用しています。

微博(weibo)|中国版X

weiboは文章と画像・動画の投稿が可能なSNSで、中国版Xと呼ばれています。

一般の利用者以外に芸能人や各業界の著名人、企業の公式アカウントも多く、トレンドやオフィシャルな情報を集めるために利用されています。

weiboは拡散性が高いことが特徴で、そういった点でもXと共通点があるSNSといえるでしょう。

抖音(Douyin)|中国版TikTok

Douyinはショート動画の投稿に特化したSNSで、中国版TikTokと言われています。

DouyinはEC機能やグループチャット機能が搭載されていて、独自のツールとして利便性の高さが評価されています。

Douyinのユーザー数は8億人以上にも及び、幅広い年齢層が利用しているのが特徴です。

若者からの人気が高いTikTokとは、異なる点といえるでしょう。

KOL・KOCを起用する際の注意点

KOLやKOCを起用すると強力なマーケティング効果を発揮する一方で、トラブルを避けるためのリスク管理が欠かせません。

ここではKOLやKOCを起用する際の注意点を、以下の3点から解説します。

  • 目的に沿った人選やSNS選びを行う
  • ステルスマーケティングには充分に注意する
  • 日本ではあまり浸透していない

1点ずつ詳しく確認していきましょう。

目的に沿った人選やSNS選びを行う

KOLやKOCを起用する際は、目的に沿った人選とSNS選びが不可欠です。

KOL・KOCは個々で強みが異なる上に、フォロワー層も大きく異なります。

またSNS媒体によって、利用者層は大きく異なります。

ミスマッチなKOL・KOCやSNSを選んでしまうとメッセージがターゲット層に届かず、マーケティング効果が期待できません。

マーケティング効果を最大化させるには、フォロワー数の多さや著名人というだけでなく、自社商品やブランドに対してターゲット層が信頼する人物やSNSを選定することが重要です。

ステルスマーケティングには充分に注意する

KOLやKOCを採用する場合、ステルスマーケティングには充分に注意しましょう。

日本同様、中国ではステルスマーケティングへのルールが定められています。

PR投稿を行う際はPRや広告であることをはっきりと明記しなければなりません。

もし広告であることを隠して投稿すると、法的措置が取られるだけでなくブランドの信頼失墜にもつながります。

日本ではあまり浸透していない

KOLやKOCを起用したライブコマース市場は、日本ではまだ広がっていません。

日本の消費者行動とSNSの構造が中国とは異なるためです。

日本ではKOLやKOCを起用したライブ画面内での即時決済は浸透しておらず、インフルエンサーの影響力は購入のきっかけに留まっています。

日本では中国の市場との違いを把握して、計画的なマーケティング戦略が求められます。

まとめ

KOLは日本でいうインフルエンサーよりも専門性が高い人物に絞られていて、中国では信頼度の高い人物として評価されています。

KOL・KOCとインフルエンサーには、人選やステルスマーケティングに注意するなどの各国共通の特徴があります。

本記事を参考に、KOLやKOC、インフルエンサーの起用を検討してみてください。

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