「TikTokでPR案件を受けたけれど、どこまで開示すれば良いか分からない」
「ブランドコンテンツの設定を間違えてステマ扱いにならないか不安」
という疑問を持っていませんか。
本記事では
・TikTokのPR投稿ルール
・ブランドコンテンツ設定の実務ポイント
・炎上やトラブルを避けながら案件を受けるコツ
を順に解説していきます。
TikTokでPR投稿を行うインフルエンサーや企業のSNS担当者に役立つ内容です。
ぜひ最後までご覧ください。
TikTokのPR投稿における基本ルールとステマ規制

TikTokで企業案件の動画を投稿する際は、まず「どこからが広告になるのか」を押さえる必要があります。
ここを理解していないと、本人は自然なレビューのつもりでも、法的にはステマに近い表現になりかねません。
TikTokにおけるPR投稿の定義と適用範囲
お金を受け取った場合だけがPRになるわけではありません。
企業から商品の提供を受けてレビュー動画を撮る場合や、イベントに無料招待されてその様子を投稿する場合も、広告としての発信に当たります。
第三者から何らかの利益を受け取り、その意向を踏まえて投稿するのであれば、視聴者が広告だと分かる形での開示が必要だと考えられます。
2023年施行「ステマ規制」
2023年10月からは、景品表示法の運用基準が改正され、広告である事実を隠して一般ユーザーの口コミのように見せる手法が問題視されています。
企業がクリエイターに依頼してPR投稿をしてもらう場合は、キャプションや動画内で「広告」や「PR」などと一目で分かる表示を行い、通常のコンテンツとの違いをはっきりさせる必要があります。
違反が発覚した際は、広告主である企業に対して措置命令が出され、その内容が公表される可能性もあります。
参考:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
インスタのPR投稿のルールとの違い
Instagramでは「タイアップ投稿ラベル」の利用が広く定着しており、ブランドパートナーとして承認される形でPR投稿を行う流れがよく見られます。
TikTokでも商用コンテンツ公開設定を使って広告であることを示す点は同じですが、ラベルの文言や表示位置が異なります。
また、どちらのプラットフォームでも、ハッシュタグの「#PR」だけに頼らず、プラットフォームが用意したラベル機能を併用する運用が推奨される傾向にあります。
ルール違反をした場合のアカウントへの影響
PRであるにもかかわらず開示を行わない投稿は、法的なリスクだけでなく、プラットフォームからのペナルティにもつながりやすくなります。
TikTokのコミュニティガイドラインでは、誤解を招くコンテンツや詐欺的な表現を禁止しており、悪質な場合には動画の削除やアカウント停止などの対応が取られる場合があります。
企業側も、ステマを行ったブランドとして炎上し、社会的な信用を失う恐れもあるでしょう。
TikTokブランドコンテンツのやり方と設定

PR案件の投稿では、キャプションの書き方だけでなく、TikTokの「商用コンテンツ公開設定」を正しく使う意識が大切になります。
この設定を行うと、システム上も広告として処理され、視聴者にも分かりやすく表示されます。
投稿画面での「コンテンツの開示」設定
投稿前に動画の編集が終わったら、キャプション入力画面の「その他のオプション」を開きます。
メニュー内の「コンテンツ公開および広告」から商用コンテンツであることを開示する項目をオンにし、「自分のブランドを宣伝する」か「第三者のブランドを宣伝する」かを選びます。
ここでオンにしておくと、TikTok側でPR投稿として認識され、おすすめ配信や広告管理の面でも扱いやすくなります。
「有料パートナーシップ」ラベルの表示方法
商用コンテンツ公開設定をオンにして投稿すると、画面下部付近に「有料パートナーシップ」や「プロモーションを含みます」といったラベルが自動表示されます。
このラベルは、動画を流し見しているユーザーにも「宣伝が含まれている投稿だ」と直感的に伝える役割があります。
ハッシュタグを細かく読まない人にも広告だと分かるため、透明性の確保に役立つ表示と言えるでしょう。
PR投稿はバズりにくい?
「PRラベルを付けるとおすすめに載りにくいのでは」と不安に感じる人もいます。
しかし、TikTokが公開している検証データでは、商用コンテンツとして適切に開示された動画と通常の動画で、パフォーマンスに大きな差は見られなかったとされています。
むしろ、広告であるにもかかわらず開示されていない投稿の方が、おすすめにふさわしくないコンテンツとして扱われる場合があります。
きちんと開示したうえで、自分らしい企画や構成を工夫した方が、結果的にエンゲージメントが高まりやすいでしょう。
参考:商用コンテンツ公開設定について(広告主向け)
参考:商用コンテンツ公開設定について(クリエイター向け)
投稿後の修正の注意点
商用コンテンツ公開設定は、公開前だけでなく、投稿した後にオンにもできます。
一方で、一度どの種類のラベルを付けるか選んだ後は、その区分を変更できない仕様になっています。
もし誤った種類のラベルを選んでしまうと、後から修正できないため、その動画を削除して正しい設定で再投稿する対応が必要になります。
撮影や編集の手間を無駄にしないよう、投稿前に広告設定の内容を確認する習慣を付けておくと安心です。
TikTokで炎上を防ぐための正しいPR表記のルールとNG表現

PR投稿で最も炎上しやすいのは、視聴者が宣伝だと気付かず「騙された」と感じたときです。
ここでは表示方法と表現の両面から、誤解を避けるためのポイントをまとめます。
動画内とキャプションでの正しいPR表記
商用コンテンツ公開設定のラベルだけに頼らず、動画内とキャプションでも関係性を示した方が安心です。
キャプションの先頭に「#PR」や「#提供:○○」と入れておくと、続きを読むを押さなくても広告だと伝わります。
動画内でも、冒頭や商品紹介のシーンに「PR」や「提供」のテロップを数秒表示し、読みやすいサイズで載せる意識が大切です。
NGなハッシュタグの埋め込み方
ハッシュタグに「#PR」を入れていても、判別しづらい形だとステマと受け取られるおそれがあります。
大量のタグの中に小さく紛れ込ませたり、「#感想」「#おすすめ」だけで企業案件だと伝わらない書き方にするのは避けた方が無難です。
ユーザーがひと目で広告だと分かるかを意識した設計が大切です。
薬機法や景表法に関わる表現
健康食品や美容商材のPRでは、「絶対痩せる」「世界一の効果」といった誇張した言い方は避けましょう。
化粧品やサプリメントなのに「シミが消える」「病気が治る」のように医薬品レベルの効能をうたう表現も法律面で問題になる可能性があります。
企業から依頼を受けた案件であれば、たとえ個人の感想という形を取っても、事業者側の責任が問われる可能性がある点を意識しておきましょう。
参考:健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について
AI生成コンテンツを利用する場合の表示義務
AI音声やAIアバターを使ったPR動画では、視聴者に実在の人物だと誤解されない配慮も必要です。
現実の人間に見えるAI生成コンテンツを使う場合は、TikTokのAIラベルや「AI生成」などの表示を組み合わせ、AIで作られたものであると分かるようにした方が良いでしょう。
広告である表示とAIである表示の両方をそろえる意識を持つと、不要な炎上を防ぎやすくなります。
TikTok案件の受け方とトラブル回避方法

PRの開示ルールを理解したうえで、どのように案件を獲得し、トラブルなく進めるかも整理しておきたいポイントです。
ここでは案件の入り口と、受ける前に確認しておきたい事項を紹介します。
企業案件を獲得する3つの主要ルート
TikTokで案件を受ける代表的なルートは三つあります。
TikTok Creator Marketplaceに登録して企業から直接オファーを受ける方法、インフルエンサー事務所やMCNに所属して営業を任せる方法があります。
そして、インフルエンサー向けのマッチングサービスやASPで募集案件に応募する方法です。
自分の得意ジャンルや活動スタイルに合うルートを選び、複数のチャネルを並行して使うと機会が広がります。
プロフィールと過去動画の整備がポイント
企業側はフォロワー数だけでなく、投稿の世界観やコメント欄の雰囲気も重視します。
プロフィールにはジャンルや得意分野、連絡先などを分かりやすく記載し、過去の動画も一貫したテイストに整えると選ばれやすくなります。
炎上が多いアカウントよりも、ファンと丁寧にやり取りしているアカウントの方が、ブランドと相性が良いと判断されやすいでしょう。
契約トラブルを避けるための事前の確認事項
案件を受けると決めた段階で、条件を文章で残しておく意識が重要です。
報酬額や支払いのタイミング、交通費や商品の取り扱い、下書きの確認方法や修正回数、投稿後の削除や二次利用の扱いなどは、事前にすり合わせておく方が安心です。
曖昧なまま進めると「修正が何度も続く」「想定していない使われ方をする」といったトラブルにつながりやすくなります。
疑問があれば早めに質問し、双方が納得した状態で撮影や編集に入る流れを意識すると、長期的な取引にも効果的でしょう。
まとめ
TikTokのPR投稿は、ルールを押さえて正しく開示すれば、信頼を守りながら成果も狙えます。
効率的にインフルエンサー施策を進めたい場合は、iKala Japanが運営するKolrの活用もおすすめです。
世界最大級のSNSデータから適切なインフルエンサーを探せるほか、運用やレポートまで一括で管理できます。
無料で始められるプランもあるため、まずは登録のうえ問い合わせてみてください。
