「UGCとCGMという言葉を耳にするが、具体的な違いや使い分けがイメージできていない」
「SNSで話題になるコンテンツを自社でも作りたいけれど、何から手をつければ良いのか分からない」
このような疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
- UGCとCGMの定義と違い
- UGCマーケティングを導入するメリットと注意点
- 国内外での具体的な成功事例と運用のポイント
- 効果を最大化させるためのデータ活用術
の順に解説します。
UGCとCGMの違いを理解して自社のマーケティング活動を成功させたい担当者に役立つ記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
UGCとCGMとは?違いについて解説

SNSやWebサイトでの情報発信が当たり前になった現在、UGCやCGMの理解はマーケティング戦略に欠かせません。
これらは似た文脈で使われますが、指し示している対象が「コンテンツ」なのか「場所」なのかという大きな違いがあります。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)の定義
UGCとは「User Generated Content」の略称で、一般のユーザーによって作られたコンテンツ全般を指します。
具体的には、Instagramに投稿された商品の写真や、YouTubeでの購入品レビュー動画、Xでの感想ポストなどが含まれます。
企業が広告として制作したものではなく、個人の自由な意思で発信されるため、情報の透明性が高いことが特徴です。
CGM(消費者生成メディア)の定義
CGMは「Consumer Generated Media」の略で、消費者が情報を発信したり交流したりするプラットフォームそのものを指します。
代表的な例としては、レシピサイトの「クックパッド」や、美容クチコミサイトの「アットコスメ」、Q&Aサイトの「Yahoo!知恵袋」などです。
これらはユーザーが書き込むことで成り立つメディアであり、膨大なデータが蓄積される場としての機能を持っています。
SNSも広義のCGMに含まれますが、特定のテーマに沿ってコミュニティが形成されるメディアを指すことが多いです。
UGCとCGMの主な違い
UGCとCGMの関係性を整理すると、CGMという「箱(メディア)」の中に、UGCという「中身(コンテンツ)」が蓄積されるイメージです。
以下の表で、それぞれの違いを簡単に比較してみましょう。
| 項目 | UGC(ユーザー生成コンテンツ) | CGM(消費者生成メディア) |
|---|---|---|
| 対象 | 投稿された写真、動画、テキスト、レビュー | ユーザーが投稿する仕組みを持つサイトやアプリ |
| 具体例 | SNSのハッシュタグ投稿、ブログの記事 | 食べログ、Amazonのレビュー欄、掲示板 |
| 役割 | 購買の決め手となる「生の声」の提供 | ユーザー同士が交流し、情報を蓄積する場の提供 |
このように、UGCは情報の「点」であり、CGMはそれらが集まる「面」としての役割を担っていることが分かります。
マーケティングを考える際は、どのCGMを活用して、どのようなUGCを発生させるかという視点が非常に重要です。
UGCやCGMが注目されている背景
現代の消費者は広告に対する警戒心が強く、企業が発信する情報だけでは納得して購入に至らないケースが増えています。
そこで重要視されているのが、実際に商品を使った人のリアルな感想であるUGCや、信頼できるクチコミが集まるCGMです。
特にスマートフォンの普及により、誰もが簡単に高画質な写真や動画を投稿できる環境が整ったことも大きな要因でしょう。
検索エンジンよりもSNSでハッシュタグ検索を行い、リアルタイムの情報を収集する行動が一般的になった背景もあります。
UGCマーケティングのメリット

UGCを戦略的に活用することで、企業は従来の広告運用だけでは得られなかった高い成果を期待できます。
特に信頼性の構築と運用効率の面で、非常に大きなメリットを享受できるのがこの手法の強みと言えるでしょう。
信頼性向上と購買促進効果
企業が一方的に商品の良さを伝える広告に比べ、一般ユーザーの投稿は客観的であり、消費者にとって親近感が湧きやすいです。
自分と同じ悩みを持つ人が「これを使って解決した」と発信しているのを見れば、心理的なハードルは大きく下がります。
実際に、ECサイトの商品詳細ページにUGCを掲載するだけで、コンバージョン率が大幅に改善されるデータも多く存在します。
第三者による推薦は、ブランドに対する安心感を与え、最終的な購入の決め手として機能する可能性が高いでしょう。
コスト削減とコンテンツ量の増加
自社で広告用の素材を大量に制作するには、多額の予算と撮影や編集に費やす膨大な工数が必要になってしまいます。
一方でUGCマーケティングを導入すれば、ユーザーが日常的に生成する多様な視点の素材を販促に活用可能です。
これにより、制作コストを抑えつつ、ターゲットに合わせた多種多様なビジュアルを揃えることができるようになります。
常に新しいコンテンツがSNS上に供給され続けるため、情報の鮮度を保ちながらブランドの露出を維持できる点も魅力です。
代表的なUGCの種類
活用すべきUGCには、目的や媒体に合わせていくつかのパターンが存在します。
まずはInstagramなどのSNSで見られる、ハッシュタグを付けた商品の使用シーンやライフスタイルを感じさせる写真です。
また、ECサイトやGoogleマップに投稿されるテキスト形式のレビューも、検索順位や信頼性に直結する重要な要素となります。
最近ではTikTokなどのショート動画による「使ってみた」系のコンテンツも、情報量が多く非常に拡散されやすい傾向にあります。
UGCマーケティングのデメリット

メリットが多いUGCマーケティングですが、コントロールが難しい一般ユーザーの投稿を扱うため、注意すべき点も存在します。
リスクを事前に把握し、適切なガイドラインを設けることで、ブランドを守りながら施策を進めることが大切です。
品質管理とブランドイメージの課題
UGCはユーザーが自由に作成するため、写真の構図が崩れていたり、意図しない文脈で紹介されたりする場合も考えられます。
あまりにブランドの世界観とかけ離れた投稿が拡散されると、本来届けたいイメージが損なわれる懸念があるでしょう。
また、ネガティブなクチコミが発生した際、放置するとブランドへの不信感に繋がるため、迅速な対応が求められます。
すべてを制御しようとするのではなく、ブランドの指針に合う投稿を丁寧にピックアップする体制づくりが必要です。
法的リスクへの対応
ユーザーが投稿したコンテンツであっても、企業が勝手に自社サイトや広告に転載することは著作権の侵害にあたります。
掲載前には必ず投稿者にDM(ダイレクトメッセージ)などで連絡を取り、利用許諾を得るというプロセスを徹底しなければなりません。
また、肖像権やプライバシーを侵害している投稿が含まれていないか、細心の注意を払って確認する義務があります。
ステルスマーケティングと誤解されないよう、関係性を明示するなどの法的なルール遵守も欠かせないポイントです。
UGC・CGMマーケティングの成功事例

理論を理解したところで、実際にUGCやCGMをうまく活用して成果を上げている企業の具体的な取り組みを見ていきましょう。
各社の工夫を知ることで、自社の施策に活かせるヒントが見つかるはずです。
UGC活用の成功事例
SNS上での盛り上がりを可視化し、ユーザーを巻き込むことでブランドのファンを増やした事例を紹介します。
株式会社KADOKAWA
KADOKAWAの児童書部門では、Instagramを活用した「パンどろぼう」のフォトコンテストなどで大きな成果を上げています。
読者が絵本と一緒に撮った写真や、キャラクターを模した手作り料理などを指定のハッシュタグで募集しました。
これにより、親子のコミュニケーションの中にブランドが入り込み、温かみのあるUGCが次々と生成されています。
公式アカウントで素敵な投稿を紹介することで、さらなる投稿意欲を高めるという好循環を生み出している点が成功の鍵です。
参考:あなたの思い出が“5周年記念ムービー”になる! パンどろぼう5周年キャンペーン
トヨタ自動車株式会社
トヨタは「#トヨタグレード」などのハッシュタグを通じ、愛車との日常を共有する文化をSNS上で醸成しています。
カタログ写真では伝えきれない、オーナーそれぞれのライフスタイルが反映された写真は、購入検討層にとって強い刺激となります。
単なる車のスペック紹介ではなく、車がある生活の豊かさをユーザー自身に語ってもらうことで、共感の輪を広げました。
大規模なメーカーでありながら、個々のユーザーとの接点を大切にする姿勢がブランドの信頼性を底上げしています。
参考:みんなのトヨタグラム
CGM活用の成功事例
プラットフォーム自体の価値を高め、ユーザーが情報を投稿したくなる仕組みを作った事例を見てみましょう。
クックパッド
クックパッドは、ユーザーがレシピを投稿し、それを見た人が「つくれぽ(作った感想)」を返すというCGMの代表格です。
投稿者に対して「誰かの役に立っている」という承認欲求を満たす仕組みを組み込むことで、膨大なコンテンツが蓄積されました。
これにより、単なるレシピ集を超えた、日本最大級の料理コミュニティとしての地位を確立することに成功しています。
ユーザーの活動がそのままメディアの価値になる、非常に優れたビジネスモデルだと言えるでしょう。
参考:クックパッド
東京シュノーケリングブログ
個人が運営するメディアでありながら、多くのユーザーからのスポット情報や体験談が集まる仕組みを構築しています。
ニッチな分野であっても、情報の透明性が高いプラットフォームには熱量の高いユーザーが集まる傾向にあります。
特定のニーズに応える「場」を提供することが、結果として強力な集客力に繋がっています。
参考:東京シュノーケリングブログ
UGCマーケティング成功のための実践ポイント

UGCを自然発生させるのは容易ではありませんが、いくつかのポイントを押さえることで、投稿の質と量をコントロールできます。
ユーザーが思わず投稿したくなる「きっかけ」を戦略的に作り出すことが、成功への近道となるでしょう。
ユーザーエンゲージメントを高める施策
まずは、ユーザーが投稿することにメリットや楽しみを感じられるようなキャンペーンの設計が重要です。
単にプレゼントを贈るだけでなく、投稿した写真が公式サイトに掲載されるといった「特別感」を演出することも効果的でしょう。
また、ハッシュタグは覚えやすく、かつブランド名が含まれるような独自性の高いものを用意する必要があります。
ユーザーからの投稿に対しては、公式アカウントから積極的に「いいね」や返信を行い、対話を大切にする姿勢を見せてください。
効果的なコンテンツ収集と活用方法
収集した大量のUGCの中から、自社のターゲットに最も響くコンテンツを選び出すには、データに基づいた分析が欠かせません。
どの投稿が高いエンゲージメントを獲得しているのかを数値で把握し、その傾向を次の施策にフィードバックしましょう。
また、海外市場をターゲットにする場合は、現地の言語や文化背景を理解した上でのキュレーションが求められます。
手作業での収集には限界があるため、AIなどを活用して効率的に最適なインフルエンサーやコンテンツを特定するのが賢明です。
まとめ
UGCやCGMを効果的に活用すれば、広告に頼りすぎない持続可能なマーケティングが可能になります。
特に海外市場や新しいSNSでの展開では、現地のユーザーのリアルな声を活用することが成功の決め手となるでしょう。
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