「炎上はマーケティングとして成立するのか?」
「炎上マーケティングはリスクが高すぎるのでは?」
という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
- 炎上マーケティングのメリット
- 炎上マーケティングのデメリット
- 炎上マーケティングの成功事例
の順に解説します。
炎上がマーケティングとして成立するのか、成功事例についても興味がある方に役立つ記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
炎上マーケティングとは

炎上マーケティングとは、SNSなどで意図的に過激または不適切な発言・行動を行い、世間の注目を集める手法です。
炎上商法と呼ばれることもあります。
炎上マーケティングの1つに商品やサービスに問題があることを公表し、注目を集めた後に改善を宣言して、信頼性を高める手法もあります。
ただし、言葉選びを間違えると企業やブランドのイメージを損なうリスクが高く、また、過激な言動を好まない消費者もいるため、実施には細心の注意が必要な手法でもあります。
バズマーケティングとの違い
注目を集めるという意味では「バズマーケティング」も同じですが、バズマーケティングと炎上マーケティングの違いは、ポジティブとネガティブ、どちらの意味で注目を集めるかです。
バズマーケティングの「バズ」は、バズるというポジティブな意味からきた言葉です。
バズマーケティングでは、消費者の反応は共感などポジティブなものが中心となるため、イメージアップにつながりやすい一方で、一部からネガティブな反応を受けることもあります。
炎上マーケティングのメリット

炎上マーケティングはネガティブなイメージを持たれがちですが、下記のようなメリットも存在します。
短期間で注目されやすくなる
インターネットやSNSでのネガティブな発言や行動は、見聞きした人が拡散するため、短期間で注目されやすいメリットがあります。
さまざまな媒体で拡散されるため、ターゲット層以外の目にも留まりやすく、認知度アップも期待できます。
炎上した投稿に対して反論や意見が集まれば、新たな投稿をしなくても注目が続く可能性もあります。
継続的に発信する手間や売名行為の必要もないため、炎上マーケティングを実施する企業は一定数存在しているようです。
知名度と認知度の向上
ネガティブな発言や行動は、見聞きした人の印象に残りやすい特徴があります。
炎上マーケティングは、この特徴を活かした手法と言えます。
過激な発言や批判とともに紹介された商品やサービス、提供する企業名やブランド名も記憶に残りやすいため、知名度や認知度の向上につながりやすいメリットがあります。
SNSなどで拡散されやすい
Instagram、X(旧Twitter)、YouTubeなどのSNSは、話題性が高いものほど拡散されやすい特徴があります。
その拡散は国内にとどまらず、海外まで広がることも珍しくありません。
拡散された投稿をインフルエンサーが取り上げ、自身のアカウントで紹介すれば、フォロワーがさらに拡散します。
炎上マーケティングは、投稿した企業や個人が炎上を継続させるような発信や行動を繰り返し行わなくても、ユーザーが自発的に拡散するため、認知度が高まります。
コストが抑えられる
炎上した投稿や話題は、ユーザーが拡散するため、広告費をかけずにPRできるというメリットがあります。
通常、企業が商品やサービスの情報発信をする場合は、企画から実行までに時間と費用がかかります。
外部に委託する場合はさらにコストがかかるため、予算に余裕のない企業は大規模な情報発信が難しくなります。
しかし、SNSで炎上マーケティングを行えば、コストを抑えて情報の発信と拡散が期待できます。
炎上マーケティングのデメリット

炎上マーケティングの主なデメリットについて解説します。
信頼性の低下
炎上マーケティングは批判を招くことが前提ですが、社会常識や倫理観から逸脱した投稿は、顧客や取引先からの信頼を大きく損なう危険性があります。
炎上マーケティングはリスクの高い手法であることを理解した上で、発信内容や話題を慎重に検討する必要があります。
安易に炎上を狙えば、収拾がつかなくなる恐れがあります。
ブランドイメージへのダメージ
炎上は短期間で注目が集まりますが、ネガティブな印象が残りやすく、ブランドイメージを棄損する恐れがあります。
ブランドイメージへの悪影響を避けるには、炎上以外の施策と組み合わせたマーケティング戦略が重要です。
炎上が収束後、ポジティブなイメージへに転換できるよう、事前に施策を準備しておきましょう。
法律に抵触する恐れ
炎上マーケティングでは挑発や煽りがつきものですが、これらが行き過ぎると競合他社への風評被害や個人への侮辱につながり、業務妨害罪などの法的責任を問われる可能性があります。
どのような発言が法律に抵触する恐れがあるのか判断は困難です。
事前に専門家へ相談し、法的リスクを回避を心がけましょう。
アンチを生み出すリスクがある
炎上はアンチを生み出すリスクがあります。
炎上マーケティングが終了しても、アンチは繰り返し批判を続けることがあり、その後の活動にも影響を及ぼす恐れがあります。
アンチは炎上マーケティングを行わなくても生まれることがあります。
放置すると、社員に対する攻撃が行われる可能性があるので、アンチ対策は事前に検討しましょう。
炎上マーケティングの成功事例

炎上マーケティングの成功事例として知られている3つの事例を紹介します。
参考:デジタルトレンズ調べ
チョコレートメーカー
ルーマニアの老舗チョコレート菓子メーカー「ROM」は、パッケージにルーマニア国旗をモチーフにしたデザインを採用して、長年愛されていましたが、若年層からは「時代遅れ」とされ、人気が低迷していました。
そこで、ROMはパッケージのデザインをアメリカ国旗をモチーフにしたものに変更すると発表しました。
この突然の発表はルーマニア国民の愛国心に触れ、メディアでも大きく取り上げられましたが、翌日ROMはデザインを元のルーマニア国旗をモチーフにしたものに戻すと発表し、今回の発表は「ジョーク」だったと説明しました。
この炎上でROMの商品は注目を集め、売上アップにつながりました。
せんとくん
奈良県の公式マスコットキャラクターのせんとくんは活動内容ではなく、製作過程で炎上しました。
せんとくんのキャラクターデザインが、他の自治体のキャラクターデザインと異なっている点と、一般公募ではなく、500万円もの依頼料を専門家に支払ってデザインしたことが発覚しました。
製作費用の総額は1,000万円を超えたと言われています。
この件はメディアなどでも大きく取り上げられ、奈良県民だけでなく、日本中から批判を浴びました。
しかし、この批判が注目を集めた結果、知名度が高まり、15億円もの宣伝効果が得られたと言われています。
参考:せんとくんのプロフィール
辻希美さん
元モーニング娘。の辻希美さんは、自身のブログやSNSで料理や育児について、さまざまな投稿をしていました。
辻希美さんは19歳で結婚しましたが、結婚当時、「ままごと婚」と批判されたこともあり、アンチが投稿に繰り返し批判的なコメントを寄せ、炎上が繰り返し発生しました。
しかし、辻さんは炎上を逆手に取り、投稿を続けた結果、アクセス数・フォロワーが増加し、さらに企業案件や広告収益にもつなげることに成功しています。
現在はママタレントの代表的な存在となり、「憧れのママ」としての地位も確立しています。
辻希美さんは炎上を企業案件などにつなげることに成功しましたが、すべてのインフルエンサーができるとは限りません。
炎上マーケティングの失敗例

炎上マーケティングの失敗例として、デジタルサイネージ広告が挙げられます。
ある企業が駅構内のデジタルサイネージ用ディスプレイに「今日の仕事は、楽しみですか」という文言を表示しました。
実際には、この後に続きがありましたが、上記のフレーズだけが切り取られて拡散されました。
拡散された画像を見た人たちが不快感を覚えて反発を招いたため、広告はわずか1日で取り下げられました。
もう1つは食品メーカーの広告です。
広告は人気キャラクターを起用した内容でしたが、その中に競合他社の製品を破壊する描写があり、その過激な描写が視聴者から不快と批判されました。
広告は削除されましたが、企業イメージに傷をつける結果となり、炎上マーケティングが裏目に出た結果と言えます。
炎上マーケティングの注意点

炎上マーケティングを実施する際は、以下の点に注意が必要です。
長期的なイメージを重視する
炎上マーケティングは短期間で注目を集めやすく、新商品などのPRには効果的かもしれませんが、長期的な視点で見ると企業のブランドイメージを損なう恐れがあります。
炎上マーケティングは一過性の手法であるため、ブランドにどのような影響を与えるかを検討した上で、実施すべきか判断しましょう。
倫理的に逸脱しない
差別や偏見を助長するような発言や行動は、社会的信用を大きく損ないます。
倫理観を疑われる内容は、炎上マーケティングではなく、差別の助長や侮辱行為と受け取られる可能性があります。
社会的に許容されない発言・行動は避け、倫理的に逸脱しないよう心がけましょう。
炎上時の対処法を検討しておく
炎上は想定以上に大規模に広がる場合があります。炎上対応で重要なのは初動対応です。
初動が遅れると状況が悪化しやすく、収拾が難しくなります。
事前に炎上時の対応方針を検討しておき、早期に収拾できるよう体制を整えておくことが重要です。
まとめ
炎上マーケティングは一時的に注目を集められますが、失敗すれば企業やブランドの信頼を大きく損なうリスクがあります。成功には緻密な戦略が不可欠です。
Kolr(カラー)を活用すると、他社の炎上マーケティングの事例や、フォロワーの反応などを簡単に分析することができます。
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